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ネロ:10歳 【祖父のジェハンと村で暮している絵を描くことが好きな少年。両親は幼いときに亡くしている。働き者で正直者。毎朝祖父と共にアントワープまで牛乳を運ぶ仕事をしているが物語り中盤で祖父を喪い天涯孤独となる。最終話の悲劇が無ければルーベンスの再来にもなれた少年】
パトラッシュ 【金物屋のもとで死にかけになるまで働かされ捨てられたセントバーナード犬。その後ネロに救われ以後彼の元で牛乳運びの手伝いをするようになる。多少人間不信かつ老犬ではあるが非常に賢く義理堅い犬で最後の最後までネロのもとを離れることはなかった】
辛い話が多い世界名作劇場シリーズの中でも最終的に死んでしまった主人公はこのネロだけ。決して人を疑うことなく正直に生きたネロ。世界名作劇場のトップバッターとして多くを教えてくれる名作中の名作。 ★その他の登場人物 ⇒
国名:ベルギー王国(フランドル地方) 首都:ブリュッセル
人口:1,045万人
◆世界名作劇場第1作目となる「フランダースの犬」。初回放送は1975年で「アルプスの少女ハイジ」の翌年。原作はイギリスの女性作家、ウィーダ(Ouida,)によって1872年に執筆された「フランダースの犬」(A Dog of Flanders)。ちなみにウィーダはペンネームであり、本名はマリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー(Marie Louise de la Ramée)。 彼女は動物愛護協会設立に関わるなどたいへんな犬好きで、多数の犬と暮らしていた。
◆原作はごく短い短編小説で、アニメ「フランダースの犬」で例えると風車小屋の火事あたりからのものとなる。その為アニメ「フランダースの犬」はほとんどの部分が日本アニメーションのオリジナルストーリーとなり、このため原作の評価とアニメの評価が大きく分かれることがあるようだ。
◆30年以上たった今でも多くの人たちの心に残る感動のアニメ。1992年にはフランダースの犬-ぼくのパトラッシュ-と題してリメイク作品が放送。1997年には映画版も出たが日本で呼ばれるフランダースの犬とは1975年放送の初回版をさす場合が多い。
![]() | あらすじと感想 |
![]() | フランダースの犬面白ネタ |
「ネロ、アロア、パトラッシュ、出番だよ。・・やれやれ、あたしゃずいぶん待たされたんで神経痛が痛くて痛くて・・・。でもよかったねぇ、ネロ」
「とうとう来たか・・・。正直わしゃチト辛いが・・なに、ネロのためだ。もう一度頑張ってみるよ。ネロもしっかりな」
「しかし今さら30年以上前の話に需要があるのかねぇ?オレがどんな人格者か知らない人が多いと思うけどねぇ・・・、なぁ、ネロ?」
「さぁさぁ、アロア、ネロ、いらっしゃい」
「はぁ〜いママ。ねぇネロ、みんな忘れていないかしら?私たちのこと?」
「みんなが忘れてもボクとパトラッシュはみんなのことを忘れないよ。キミが大好きだった物語たちが教えてくれた大切なこと。その想い出がきっと今も生きていること。そしてそんなキミたちにいつか会える日が来ると・・・」
「 ワンッ! 」
◆永らく未レビューのまま放置していた世界名作劇場のトップバッター「フランダースの犬」。「ハイジの寝言」もここまで辛くも生きているので突然死して悔いの残らぬようにこの素晴らしい名作のレビューを終わらせておこうと思います。もしかするとネロと一緒に燃え尽きるかもしれません (^^)
「けしからん!まったく一年以上も放置しおって。だいたいワシの若い頃は・・・」 ◆ネロ。改めて視聴してみて気がついたのですが、ネロが純粋すぎます。本当に心が痛いほどに純粋です。世界名作劇場の主人公たちは皆一様に心優しく素晴らしい性格の子供たちばかりですが、ネロのそれには何か特別なものを感じて止みません。
ネロ。正直者で働き者。絵を描くほかにはそれといって特徴のある子ではありません。細面の美男子でもなく剣や銃を持って戦ったりもしません。もちろんロボットにも乗らないし特殊な任務や職業に従事しているわけでもありません。是非はともかく、はたしてこんな主人公のアニメが今の時代の子供たちに受け入れられるのかどうなのか?すごく疑問です。
「今のアニメにも素晴らしいものが沢山あるわ。でも昔のアニメにも素晴らしいものが沢山あって、今のアニメはそういった過去の遺産を継承して作られたものだということを少しだけでも憶えておいてほしいの」 ◆世界に誇れる日本のアニメ。今の時代のアニメたちの中にもきっと生きている過去のアニメ作品たち。その過去の集積である「フランダースの犬」を振り返ってみたいと思います。
![]() | 余談ですが・・・ 他の世界名作劇場作品をレビュー中にコッソリ再視聴していたのですが、なんと第一話『少年ネロ』を視聴して泣きました。。。 (つД`) ・・・ ネロ・・死んじゃうのか・・こんなにいい子なのに・・・。 第一話で泣いたアニメはたぶんこれが初めて(笑 それだけ「フランダースの犬」が今も心に残っている証拠なのだと感じました。 ※絵描きの少年ネロに敬意をこめて。画伯2007。 |
「上手だよ管理人さん・・・( きっとこれはジョルジュだね )」
( ´Д⊂ ・・・ネロ・・・お前ってやつは・・・
「にゃははははっ下手くそ〜、画伯とかバカァ〜あははははっ・・・」
(;_;) アロア・・・お前ってやつは・・・
| 【一監督の言葉がどこかの国の国民総意のように報道される昨今。私もあえて日本の「ハイジの寝言」一管理人として「ネロは正しさと勇気を教えてくれた今も心に生きつづける日本アニメの名作主人公です」とだけ言っておきます】 |
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「ネロ・・・」
「うわぁぁ〜…ん・・・」
「ネロ・・・わたし忘れない・・・絶対に・・・」
「ネーーローー!」
「仇はきっとボクがとってみせる・・・ネロ・・・」
「ネロ・・・本当にあなたって子は・・・」
(´;ω;`) ウッ・・・始まってもいないのに泣くな・・・・・
| 今回は物語の魅力を分かり易く伝えるために一部作中使われた台詞をそのまま引用する場合があります。一部で写真画像を掲載しますが、これは自由に利用することができるパブリックドメイン (public domain) 画像を使用しています。 ※動画は全て外部リンクです。自UPのものは含まれていません。 ※レビュー中には独自解釈や二次創作に該当する部分も含まれますが、作品の内容を意図的に貶めることを企図してのものではありません。 |
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物語の舞台はベルギー王国のフランダース地方にあるアントワープ近郊のブラッケン村。年代はオランダ、ネーデルラント連合王国からベルギーが独立して40年後の、原作の書かれた1872年頃だと思われます。
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「ネーロー。今日もアントワープまでお爺さんのお手伝い?ネロってエライのね。フフッ・・・いつものイチゴあめもお願いね?」
「わかったよアロア。帰ってきたら一緒に遊ぼうね」
ネロはこの年9歳になった男の子。祖父のジェハンお爺さんと毎日隣のアントワープという町まで村の牛乳を運ぶ仕事を手伝っています。二つ年下のアロアとは大の仲良しで、いつも二人は一緒でした。
◆まだまだネロは一人前と呼べる歳ではありませんでしたが、村の牛乳を運搬して細々と生計をたてているジェハンお爺さんのために、今日もアントワープまでの長い道のりを荷車を引く大好きな祖父と共に進みます。
そんな道すがら・・・ネロとジェハンは年老いた犬を連れた金物屋とすれ違います。
パトラッシュとの出逢い
「なにやってやがんだ、このクソ犬ッ!さっさと引きやがれッ!」
金物屋は溝にはまった荷車を老犬に引っ張り出させようとしますが、金物を沢山積んだ荷車は重く、老犬の力ではとても引っ張れそうにありませんでした。それでも金物屋はこの老犬にムチを振るうだけで、自分の力を貸すつもりはなかったのです。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
ネロにはどうすることもできませんでした。そしてこの時どうすることもできなかった自分をとても恥ずかしく感じるのでした・・・。
新しい友達、ジョルジュとポール それから毎日、ネロはムチで打たれていた労働犬のことが気になって仕方がありませんでした。
そんな時、仕事が終わった後に友達のアロアやアンドレと釣りをしていたネロは川で溺れている少年を見つけます。
ネロは自分が泳げないことも忘れ、ただ慌てふためくだけのアンドレをよそに、この少年を助けるために川に飛び込むのでした。
「お前、勇気があるな。オレはジョルジュっていうんだ。そんで溺れていたバカがオレの弟の」
「ポールっていうんだ!・・・兄ちゃん・・・バカっていうなよぉ・・・」
「はははっ」
貧しいながらも、その貧しさを恥じることなく正直に、そして強く祖父と共に暮らす少年。 本当に澄み切った心の持ち主。純朴な少年ネロ。 この澄んだ瞳に燃えるような色を持っている彼の生涯を振り返ってみたいと思います。 |
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「ネロ、応援にきたわ。酪農のことなら私も少しは手伝えるかも・・・」
「働くことならボクも負けてないよ。この牛乳缶を洗うんだね?よぉーし! ビン洗いで鍛えたボクの腕前を見せるぞッ!」
「ありがとう、カトリ、マルコ。でもキミたちに迷惑はかけられないよ。大丈夫、ボクとおじいさんで頑張れるさ。それにアロアだっているし」
「みんな優しくていいお友達ね、ネロ」
今日も仕事でアントワープを訪れたネロ。その日は偶然にも街であの労働犬と出会います。
労働犬は金物屋からひどい扱いを受け、水も食事も満足に与えられず疲れきっていました。金物屋が荷車を離れた隙をみてネロは労働犬に駆け寄り、そっと水を飲ませてやります。
「さぁお飲み・・・」
「・・・・・・」
| これがこれから生涯を共にする二人の本当の意味での出逢いでした・・・。またネロは金物屋が口にしていた「パトラッシュ」という言葉を聞き、この犬の名前が「パトラッシュ」であることを知ります。そしてパトラッシュはこのたった一度だけ水をくれた少年をその後も忘れることはなかったのです。 |
ボクの友達パトラッシュ それから数日後・・・。アントワープの街を再び訪れたネロは金物屋がパトラッシュを連れていないことに気がつきます。驚いたネロは金物屋にパトラッシュのことを訊ねますが・・・
「なんだ、うるせぇガキだな!ヤロウはくたばっちまったよ。もう捨ててきた後だ。分かったらとっとと失せろ、このガキがッ!」
「くたばったって・・・す、捨てたって・・・、どこに捨てたんです!」
金物屋に何度突き飛ばされても必死にパトラッシュのことを聞き続けたネロは、とうとう金物屋からパトラッシュを捨てた場所を聞きつけ、川の土手で動けなくなっているパトラッシュを見つけ出すのでした。
***この時現場に居合わせたジェハンお爺さん。慌てるネロをよそに有無を言わさず死にかけのパトラッシュを荷車に乗せると、すぐさま家に連れ帰り早速看病を始めます。孫と自分が生きていくだけで精一杯のはずですが、ついぞそんなことなど考える素振りも見せません。流石にネロのお爺さんです*** |
こうしてダース家〔ネロの家〕に連れてこられたパトラッシュは、その後必死に看病をしてくれたネロやジェハン爺さん、アロアのお陰で次第に元気を取り戻し始めるのでした・・・・。
| ネロとジェハン |
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ネロとおじいさん、パトラッシュの生活はまだ始まったばかりです。ネロの運命を刻む数々の歯車も今はまだ正しく動いているのでした・・・。
「学校?大丈夫よネロ!私がすっごい学園を紹介してあげる!お金?心配ないない」
「教育者としての資質を有した私の出番のようね、フフッ。安心しなさいネロ。読み書き算数はモチロン、天体物理に哲学そのた諸々なんでも教えてあげる」
「ネロには文学的才能を感じるわ。それに現役家庭教師を勤める私にはさすがのジョオもかなわないはずでしょ?」

「本当によい友達ばかりじゃな・・・ネロ・・・」
なんとか動けるようになったパトラッシュですが、しかし金物屋にイジメられ続ける日々を過ごしてきたために極度の人間不信に陥っていました。
お腹が空いているはずなのになかなかご飯も食べようとはしません。心配するネロ。
そんな二人を見たお爺さんは貧しい家計を切り崩し、パトラッシュのために、そしてパトラッシュを心配する孫のためにもと、めったに買うことのない肉を買ってきたりして二人を励まします。
「ほら、パトラッシュ。今日のスープにはお肉が入っているんだよ。 すごいだろう?ほら、お食べ・・・」
| ◆パトラッシュ セントバーナード犬種の老犬。金物屋が馬の代わりに荷車を引かせるためにどこかで買った労働犬。満足に食事も与えられないまま酷使され捨てられる。そのためネロに拾われた当初も人間を恐がり、食事はおろか、一切鳴く事もしなかった。しかし一度アントワープの街でネロに水をもらったことを覚えており、またその後も自分のために必死になってくれるこの少年についに心を開く。 |
「・・・・ワンッ!」 「ほ、吠えた・・・、吠えたよお爺さん!」 「よかった!よかったね、ネロ!」 その夜パトラッシュは自分の小屋を抜け出し、初めて知る人間の温かさを感じるようにネロと共に寄り添うようにして眠るのでした。 |
お爺さんとパトラッシュと歩いた道 こうして次第に元気になっていくパトラッシュはある日、自分から牛乳を運ぶのだと言わんばかりに荷車の前にしゃがみ込むと、そこから動かなくなりました。この様子を見たジェハン爺さんはパトラッシュに「もう引退したんだ。気にするな」と言って聞かせるのですが、パトラッシュのネロたちと共に働きたいという気持ちは変わることなく、結局ジェハン爺さんはパトラッシュに荷車を引いてもらうことにします。
そしてネロはそんなパトラッシュに亡き母からもらった大切な鈴を付けてあげるのでした。
〜パトラッシュの幸せ〜 これまで労働犬として金物屋に死にかけになるまで酷使されてきたパトラッシュ。ジェハン爺さんとネロに助けられて以来、ダース家の家族としてとても大切に扱われます。自分たちのことなどお構いなしに自身を助けてくれたジェハンやアロア。炊きつけの木を背負わすこともしないネロの優しさ。以前は風の音にも怯えていましたが、この三人のお陰で遂にパトラッシュは数万年も前から人間の友として共生してきた犬の幸せを掴んだのでした。 ☆第10話ナレーション:「どんなことがあってもネロから決して離れない」。そう思ったに違いありません。 |
こうしてネロとパトラッシュ、ジェハンお爺さんの三人はアントワープまでの長い道のりを毎日牛乳を共に運ぶこととなったのです・・・。
〜ミルクいろの夜明け みえてくる まっすぐな道〜
〜忘れないよ この道を パトラッシュと歩いた〜
〜空につづく道を〜
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「動物のことならお任せませませぇ〜。パトラッシュをリトルのような賢く強い犬に育ててみせまぁ〜す」
「無人島で鍛えるのよ!自給自足に慣れさせ、オオカミ相手にもひるまないジョンのような強い犬にッ!」
「いや・・別に強い犬に育てるのが目的じゃないから・・・
とにかくガンバレ、パトラッシュ」
「クゥゥ〜・・・ン・・・
」
夏が訪れます すっかり元気になったパトラッシュは毎日ネロやお爺さんと共に牛乳運びに精を出します。
しかし・・・
この元気になった姿をアントワープの街で偶然目撃した金物屋はネロにパトラッシュは自分の犬だと所有権を主張し、強引に返すように迫るのでした。
「いやだ、パトラッシュはボクの大切な友達なんです!それにおじさんはパトラッシュを捨てたと言ったはずです!」
「うるせぇガキだぜ、まったく。オレはそんなことを言った憶えはねぇんだよ。どうしてもその犬っころが欲しけりゃ金をだしな。そうだな・・3フランでどうだ?」 しかしネロはそんな大金など持っているはずもありません。まして3フランといえばおじいさんの一月以上の稼ぎです。しかし・・・このことを知ってしまったおじいさんは孫のためにこの金物屋の要求をネロに内緒で呑むことにするのでした・・・。
| ◆◆ | ◆その後の金物屋◆ アンソール ブラバンド生まれで子犬のパトラッシュを労働犬として育てた元飼い主。 パトラッシュを売ったお金をジェハンお爺さんから毎月受け取りながら、ただ一度だけ支払いの日に遅れたことを理由にパトラッシュを無断で連れ去る。しかし何度ムチで打たれてもパトラッシュは金物屋の言うことを聞かず、ついには自力で脱出。ネロの元へと戻る。その後 金物屋は再びネロたちの前に姿を現すことはなかった。 |
ネロの夢 毎日おじいさんとパトラッシュと共に働いていたネロですが、そんな孫をみたおじいさんはいつまでも自分がネロの面倒をみれないことを感じ、ネロには立派な一人前の男に成長して欲しいと願うようになります。
「分かっているよおじいさん。ボクきっとおじいさんの役に立てる立派な大人になってみせる。パトラッシュもおじいさんもボクが守ってみせるよ」 こうしてネロはおじいさんの意に添い、将来の仕事を探すため木こりのミシェルの手伝いや風車小屋の修理の仕方を習ったりしますが、彼にはどうしても消せない夢が心の中にありました。それは絵を描くという情熱でした。
幼い頃に母親と共に見たアントワープ大聖堂の中にある素晴らしい絵。ネロの脳裏にはその神秘的な絵がいつも記憶の片隅に残っていたのです。叶うことならば画家になりたい・・・。人々を感動させるような絵を描いてみたい・・・。 |
「ネロの絵は誰にも負けないわ。だってこんなに上手なんですもの」
こうしたアロアの励ましもあり、ネロはおじいさんの仕事を手伝いながら、日々絵を描く練習を繰り返しはじめるのでした。
ネロ。 |
アントワープ大聖堂(ノートルダム大聖堂、聖母大聖堂)
【ベルギーのフランドル地方アントワープにある14世紀中ごろから二世紀近くの歳月をかけて建築されたゴシック建築の教会。幼い頃にネロは母親と共に何度かこの教会を訪れた。 ネロが最初に見て記憶していた絵は17世紀バロック時代のヨーロッパを代表する画家ルーベンスによる絵画「聖母被昇天」。またアントワープ大聖堂にはまだネロの見たことのないルーベンス作の「キリスト昇架」、「キリスト降架」も展示されている】 ※画像は転用可能なパブリックドメイン:ウィキメディア・コモンズより |
「礼拝?本当は嫌だけどネロが行くならオレとハックもいくぞ。ついでにルー…なんとかの絵も取って帰ろーぜ?」
「ズルイぞ、イタズラするならボクも混ぜてよ!」
「お〜ま〜え〜ら〜
神の清浄なものをおかすことはこの私が許さんぞぉ〜
」
「・・・・」
「ネロのやつ・・・絵なんぞ描きおって、画家にでもなったつもりか!まったくけしからん奴だ」
「パパ、ネロのことを悪く言わないで」
何かの歯車が狂いはじめます。
| ◆コゼツ家◆ アロアのコゼツ家はこのブラッケン村一の権力者であり大地主。いわば領主的な立場の家でした。コゼツは村人たちの土地や作物の管理を受け持ち、小作地から小作料を得る代わりに、村で起こる事件や出来事を収める義務があったようです。 そんなコゼツがネロを疎ましく感じ出したのは一人娘のアロアを家から無断で連れ出し、森で雨に当てたと勘違いしたのが最初の原因であったように思えます。 |
「ボ・・、ボクじゃないよ、ネロが割ったんだ。コゼツ旦那の大切な壺はネロが割ったんだ、ボク知らないよ、ホントだよ」
「アロアお嬢さんに草刈を手伝わせるとはネロの奴・・・しかも旦那様、奥様の大切なチューリップ畑を荒らしたのはネロとパトラッシュなんですよ。まったくあいつらウソばかりつきやがって・・・」 | 全て濡れ衣、またはアンドレやハンスのウソでした。しかしコゼツは貧しい暮らしをしているネロの言葉は信じず、ハンスやアンドレの言葉を信じ、いよいよネロが疎ましい存在に思えてきます。そして一度芽生えた負の感情は次第に悪化し、ついにはコゼツ自身もことあるごとにネロは「貧乏なくせに絵を描くけしからん奴」だと感じるようになってしまうのでした・・・。 |
ハンス 靴屋の主人でネロの借家の大家。アンドレは彼の息子。 何か悪い事件や事故があるごとにその責任をネロに押し付け、またネロの仕業だと言いふらします。コゼツ家の人間には頭が上がらず、常におべっかを使っていました。 |
| ◆息子のアンドレが飼っている犬のダックスが荒らしたエリーナのチューリップ畑を、ネロとパトラッシュが荒らしたものとしてコゼツに報告する。◆アロアが自分で手伝っていた麦刈りを、あれはネロが強制してやらし、自分は絵を描いて遊んでいるとコゼツに報告。◆風車小屋の修理が遅れているのはネロがコゼツに仕返ししていると噂する。◆アロアが留学する際に荷物運びが遅れた理由をまったく関係のないネロのせいだとする。◆ルーベンスの二枚の絵を見る機会を妨害する。◆アロアをネロに近づけないようにあれこれ嘘をつく。アロアのために摘んだ薬草も捨てる。◆どんな事情があっても家賃滞納は許さない◆ネロに対しては暴力を振るう。◆他いろいろ・・・。 ※時系列は前後しますが、風車小屋の火事の原因もネロの仕業だと決めつけます。 |
アロアとコゼツ家とネロ
アロアはネロより二つ年下の女の子で物心ついた頃からずっと二人は大の仲良しです。裁縫が得意で好物はイチゴアメ。疲れはてたパトラッシュには自宅から干し肉などをコッソリ持ってきて与えるなどしてくれた優しい女の子。しかしコゼツ家の一人娘なため父親から行動を厳しく制約されることもあり、特にネロとの付き合いに父親のコゼツは良い顔をしませんでした。
母親のエリーナはアロアとネロの仲むつまじいことを喜んでいますが、夫のコゼツには逆らえない様子で、陰から二人の仲を応援する立場。 アロアは常にネロを気遣い、励まし続けます。時には父親に反抗してまでも・・・。
アロアがイギリスへ・・・ そんなある日・・・。コゼツの妹ソフィアが娘のアニーを連れてコゼツ家を訪れます。アニーはとても礼儀正しく将来は立派な貴婦人になるための教育を受けていました。そんな妹の娘をみたコゼツは嫌がるアロアを無理にでもイギリスに旅立たせ、妹の下で教育をさせることを考えたのです。
「わたしネロやパトラッシュと別れたくない。勉強なんてしなくてもいいの、ネロのそばにいたいの・・・・」 しかしアロアのイギリス留学は本格的に決まります。そしていよいよ旅立つ日が迫り、ネロは自分で働いた僅かばかりのお金を全て使って紙と鉛筆を買い、パトラッシュとアロアの絵を描いて彼女に渡すのでした。
「ネロ・・・ありがとう。これからもアロアの大切なお友達でいてね」
「エリーナ、帰るぞ。・・ネロの奴、絵の代金をこのワシに返しおった、貧乏人の癖に。働きもしないで絵なんぞ描く奴は怠け者である証拠だ!アロアにも悪い影響があるやもしれん。今後一切二人を会わすことは許さん!」 こうしてアロアを乗せた船はロンドンへと向かうのでした・・・。
アロアがイギリスに留学して一月が経ちました。
****フランダースの秋は短く、あっという間に冬が訪れます・・・。****
ネロは寂しさを紛らわすためにも必死に働き、そして絵を描き続けます。
そんな中ネロはアントワープ大聖堂の中にルーベンスの絵が他にも二枚存在することを知り、どうしてもその二枚の絵を見たいと思うようになります。しかし聖堂の中にあるカーテンで覆われた二枚の絵を見るには銀貨が必要なのだと聞き、それをおじいさんに話すことも出来ず、ただネロはカーテンの前で立ち尽くすのみでした・・・。
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そして・・・そんな時、ネロの大切な人が続けざまに怪我や病に倒れてしまいます・・・。
| ◆ミシェルは仕事で脚を怪我してしまい、風車小屋の修理のために頼まれていたカシの木を切れませんでした。そしてこの怪我と修理の遅れをハンスはネロの仕業だとコゼツに報告し、またしても濡れ衣を着せられます。 そんなネロは疑いを晴らすためにも、また自分が一人前であることを証明するためにも、そして何よりミシェルのためにもと一人で大きなカシの木を切り倒すのでした。 「おぉ・・・大したものだネロ。まったく大したものだ・・・」 |
◆永く隣に住み、幼い頃からいつもネロの面倒をみてくれていたヌレットおばさんが持病の神経痛が悪化し、遂に娘夫婦の下へと去ることになります。 「ネロ・・・来年のクリスマスにはきっと帰ってくるからね。その時まで元気でいるんだよ。クロをよろしくね・・・・」 「グワァー、グワァー」 これまで貧しい自分たちに親身になってくれ、また母親代わりになってくれていたヌレットおばさんとの別れはネロにとってとても辛いものでした・・・。 |
| ◆イギリス留学をしていたアロアは慣れない生活とネロに逢いたい気持ちから激しいホームシックに掛かり、病床の身となってアントワープの町へと帰ってきました。ネロに逢いたい一心から病におかされたアロアですが、青白くやせ衰えた姿をネロに見られるのは嫌だと泣き崩れてしまいます。 コゼツの目もあり、なかなか会うこともできない二人でしたが、コゼツの留守に自宅を訪れたネロはエリーナの計らいでアロアとついに再会します。 「ネロ・・・逢いたかった・・・ネロ・・・」 「アロア・・・」 ネロとパトラッシュの姿を見たアロアの病状は一気に快方へと向かうのでした。 |
そして・・・おじいさんの病・・・ 春が訪れ、ネロは日増しに逞しくなり、今では一人で牛乳の配送が出来るようにもなりました。これでおじいさんにも楽をさせてあげることが出来ると考えていた矢先、そのジェハンお爺さんが体調を崩し倒れてしまいます!
「なに・・・心配いらんよ、ネロ。ちょっと疲れただけだ・・・大丈夫じゃ」
「・・・・・・・・・・・」
家賃を滞納することを決して許さないハンスと、孫のネロのためにもと、おじいさんは老いた身体に無理をさせ続けるのでした・・・・。
「セーラ。ボクおじいさんに頼んでネロ君を助けようと思ったんだけど、おじいさんは黙っているしネロ君も心配ないよって言うんだ・・どうしてだろう?」
「お金が全てじゃないことをネロ君が知っているからよ、セディ。でも努力の成果の一部が富であることも事実。そして人の心はお金では買えない。これも事実。でも本当に困った時には頼ってほしい・・・これは私の本心」
「ネロ君もジェハンおじいさんも自分の力でなんとかしようと考えている・・・。あと私たちに出来ることは祈るだけ・・・頑張って、ネロ」
「ネロ!ビッグニュースだ!今度 絵のコンクールが開かれるらしいんだが、なんと一等になったら賞金が出るらしいぜ!スゴイだろ、知ってたか?」
「知ってたか?」
ジョルジュの持ってきたニュースにネロは驚きます。今度アントワープの町でルーベンスにちなんだ絵のコンクールが開かれ、1等に選ばれるとなんと200フラン〔ジョルジュの父親(魚の運搬船の船長)が数年働いてやっと手にできるだけの大金〕の賞金が出る上に、絵の勉強も出来るというネロにとっては信じられないようなニュースだったからです。 |
◆早速コンクールに参加しようと考えるネロでしたが、コンクールに応募する絵は紙に描いたものではなく、パネルに描いたものが応募される通例があることを知り愕然とします。ネロにはパネルなど買うお金はとてもありませんでした。
一旦はコンクールに参加することを諦めたネロでしたが、そんな孫を見たジェハン爺さんは牛乳運びとは別に昼間アントワープの街で野菜売りの手伝いなどをして得たお金でパネルを買い、ネロのコンクール参加と画家になりたいという夢を応援するのでした。
「おじいさん、ありがとう・・・ホラ、パトラッシュ!パネルだ、パネルだよ」
「 ワン! 」
| しかし・・・病んだ身体に無理をさせ続けたおじいさんは再び倒れてしまいます。しかも今度は以前と違い、立ち上がることも出来ないほどの重い症状だったのです・・・・。 |
大好きなおじいさんのために なんとかおじいさんに元気になってもらいたい。そう思いながらパトラッシュと共に牛乳運びの仕事を続けるネロでしたが、この唯一の収入源を隣に引越してきたセルジオという野菜売りの人物に奪われてしまいます。
| ネロの仕事 |
セルジオは野菜の仕入れをしている人物で、引越してきたその日に村人たちのもとを訪れ野菜の仕入れを頼みます。その際に仕入れを任せてくれれば毎日の牛乳運びはタダで請け負うことを約束し、殆どの村人たちはこのセルジオとの交渉に応じてしまうのでした。 「パパ・・・ネロを助けてあげて・・・」 「アロア、これは大人の問題だ。子供が口を挟むんじゃない」 |
こうして仕事を奪われたネロ。これでは家賃はおろかおじいさんの食べ物や薬も買うことが出来なくなってしまいます。仕事を探し街を歩き回るネロはジョルジュの紹介で波止場の荷物運びの仕事を始め、また出来ることは何でもやりました。 手をマメだらけにし、おじいさんを心配させまいと毎日カラの牛乳缶をアントワープまで運び、そして街では出来る仕事は何でも必死になって続けました。ジョルジュやアロアもそんな彼を助け、ネロは毎日の様に大聖堂に通いマリア様におじいさんが元気になりますようにと祈ります・・・。 |
波止場での仕事を終えたネロは予想以上に多い給金に喜びます。
「やったよパトラッシュ!これでお肉を買って帰ろう。特性のスープでおじいさんを喜ばせるんだよ!」
「ワンッ!」
ネロとパトラッシュは沢山のお土産を持っておじいさんの待つ家へと帰るのでした・・・。
おじいさん 幼い頃からネロの面倒をみてきたジェハンおじいさん。しかし恵まれない環境からネロには何一つ満足な思いをさせてやることが出来なかった自分の不甲斐なさに涙します。そして自らの命の火が燃え尽きることを感じたおじいさんはネロに語りかけるのでした。
「ネロ・・おじいさんはお前のお母さんに会いに行くよ・・・、ネロ・・ありがとう・・・お母さんと一緒にいつも空から見ているよ・・・」
「そんな・・・いやだ!おじいさん死んじゃいやだ!」
「クゥ〜・・ン・・・」
「パトラッシュ・・・ネロを頼んだよ・・・、ネロ・・・いい絵を描くんだ・・・」
ネロを支え続けていた大きな歯車が一つ外れてしまいます・・・。
| その日はアロアの誕生会がコゼツ家で華やかに、そして盛大に催されていました。 ネロは木枯らしの吹く中一人、おじいさんを教会の墓地に埋葬し、涙が枯れるまで教会の鐘を打ち鳴らすのでした・・・。
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大好きなおじいさんがいなくなってしまった・・・
何も持たない自分がこの先どうやって生きていけばいいのかなどネロに分かるはずもありませんでした。
しかし今やらなければならないことを彼は知っていました。
「絵を・・・絵を描くんだ・・・」
◆ジェハンおじいさんの死を知ったミシェルは有無を言わさずネロを引き取ろうとしますが、肝心のネロがそのミシェルの誘いを毅然として断ります。 「いい絵を描くんだ・・・ネロ」 おじいさんの想い出の残るこの家を去っては絵は描けない。そしてそれはおじいさんとの約束でもあったからです。 「そうか・・・、分かったよ。・・・強くなったな、ネロ」 こうした彼の強い気持ちを察したミシェルはコンクールの終わった後にまた迎えに来ると言い残しネロのもとを去ります。 「大変だったらしいなぁネロ?だがそれとこれとは別だ。家賃はちゃんと払ってもらうぞ?んん?」 ◆しかしそんなネロにハンスはお構いナシの家賃請求を向けてきます。支払日の期限はコンクールの開かれるクリスマスまで。もし払えなければ家を追い出すと言い残し、ハンスはネロのもとを去ります。 ◆ジョルジュは今度鍛冶屋の下働きとして町を出ることになりました。兄と離れ離れになって寂しくなるポールのためにネロはヌレットおばさんから貰ったアヒルのクロを譲り、そんなネロにジョルジュは 「クリスマスにはまた帰ってくるから元気でいろよ」 と言い残しネロのもとを去ります。 |
大切なものを失ってしまったネロ。しかし彼にはまだ生気がありました。それは今為すべきことがはっきりと見えているからです。
おじいさんの絵パネルに向かって絵を描こうとするネロですが、いざとなると筆がなかなか下ろせません。風車の絵を描くつもりでいたのですが、本当にそれでいいのかと疑問が芽生え始めます。そんなネロを見たアロア。
「頑張ってネロ。大丈夫よ、ネロは誰にも負けないくらい上手なんだから。私の描いた絵なんて・・・ホラ」 そう言って恥ずかしながら見せたアロアの画用紙にはおじいさんの優しく微笑む顔が描かれていました。
「!・・・そうだ・・・おじいさんとパトラッシュを・・・・。ありがとうアロア!」
こうしてネロは一心不乱におじいさんとパトラッシュの絵を描きはじめます。毎日々々パネルに話しかけながら筆を滑らせ描かれるその絵は、まるでおじいさんとパトラッシュが生きているかのような素晴らしいものでした。
風車小屋の火事!コンクール開催の日も迫ったそんなある日。村に唯一あるコゼツ家の管理する風車小屋が火事に見舞われてしまいます!
◆風車小屋 ナポレオン時代からブラッケン村に存在する古い風車で、全ての村人たちが作った麦などの粉挽きに使う重要なもの。コゼツ家が管理しているが、古い木造建築のために過去にも故障し、風車修理の名人ノエル爺さんが何度か修理している。 ☆出火の原因(後に判明) 粉挽きに使うことだけを優先的に考え、古い風車に油も差さず動かし続けたため摩擦で発火。小麦袋に火がついた。結局はハンスとコゼツが無理に動かしたための出火であった。しかし・・・ 「旦那様、こりゃきっとネロの仕業です!あいつ牛乳の仕事を取られたもんで村人たちに仕返ししたに違いありません」 「ネロ・・!ネロ・・!・・・またしてもあいつかッ!」 |
恐ろしい発想でした。何も知らないただの10歳の少年が放火の濡れ衣を着せられたのです。
必死に無実を主張するネロや彼を庇うアロアでしたが、曲がった歯車はますます狂った時を刻み始め、遂には村人たちの歯車までもが捻じ曲がり始めたのです・・・。
こうして全ての村人たちからの信頼も失い、唯一残されていたジェスタス宅の牛乳配送の仕事も失ったネロは殆ど食事も口にできない状況に陥ってしまうのでした・・・。
しかしそんな中、ネロはもてる全ての力と望みとを賭けてコンクールへの絵を描き上げるのでした・・・。
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夢破れ・・・そして・・・ アントワープの街に小雪が舞い始めます。
公会堂へ絵を提出したネロは結果が発表されるその瞬間を待ち続けます。そして・・・
「 落選・・・・ボクの絵は・・・・ダメだった・・・・ 」
最終選考まで残ったネロの絵でしたが、一等は幼い頃から高名な画家に指導を受けていたステファン少年のものとなったのです。またネロの絵は素材の悪さと未完成であることが減点となり、審査の結果落選してしまったのでした。
落選・・・。
この言葉だけがネロの心に重くのしかかります。
自分の絵はダメだった。おじいさんとの約束を守れなかった。全てを注ぎ込んで描いた絵が・・・。幼いネロにはそれ以外のことは考えられなかったのかもしれません・・・。
今ネロの目の前は真っ暗になるのでした・・・。
もう何も考えることの出来なくなったネロはパトラッシュと共にブラッケン村への帰り道、とんでもない物を雪道で発見してしまいます。 それは2000フランの金貨が入った袋でした。 |
それはなにもかも・・・、今のネロの全ての苦痛を開放させうるだけの大金でした。しかしネロはこのお金を自分のものにしようとは微塵も考えず、それどころか無実の罪を着せたコゼツの落とした金貨だと気づいた彼は、この金貨を彼のもとへ届けることにするのでした。
「まぁまぁ、ネロ・・・なんとお礼を言ったらいいのか・・・。待っててね、あの人もすぐに帰ってくるから」
「アロア、パトラッシュは何も食べていないから疲れているんだ。休ませてあげて。・・・アロア・・・パトラッシュをよろしくね・・・」
「うん。・・・? ・・・ネロ?」
自分の力ではもうパトラッシュの面倒をみることができないことを知っていたネロは事後をアロアに託し、この最愛の二人に別れを告げ、一人おじいさんの眠るお墓へと向かいます。
「おじいさん、ごめんなさい・・・。ボクの絵、ダメだったんだよ・・・」 画家への夢は絶たれ、200フランの賞金も得ることが出来なかったネロは、それでも足りるはずのない僅かばかりの小銭全てを家賃の支払いとしてテーブルに置き、この懐かしい我が家を去るのでした。 外は猛烈な吹雪でした・・・。 仕事もなく放火の疑いまでかけられているネロに行くあてなどあるはずもありません。 空腹で意識もはっきりしないネロ。唯一の生きる望みだった気力も失ってしまったネロ。 吹雪の中、途中 靴が脱げたことも気づかず、あの燃えるような情熱の瞳に光はなく、ただ虚ろな目のまま毎日おじいさんと通った懐かしの道のりをアントワープ大聖堂へと導かれるように歩み続けます・・・ |
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ネロと同じく殆ど食事をしていないため弱りきっていたパトラッシュ。しかも老犬であるため体調も優れません。しかし傍らにネロがいないことに気がついたパトラッシュは暖かい暖炉と食事の用意されたアロアの家を飛び出し、一心不乱にネロの後を追います。 道中何度倒れても立ち上がり、自分を助けてくれた、優しくしてくれたネロを・・・。恩返しなどではなくただ本当にネロが好きだったパトラッシュもこうして導かれるようにアントワープ大聖堂へと・・・。 |
一方、無くしてしまった2000フランを探し回っていたコゼツは半ば諦め自暴自棄のまま自宅へと戻ります。しかし2000フランの金貨が見つかったことを知り驚きます。
「こ・・これは・・いったい・・?」
「ネロが・・パパの嫌いなネロが!・・パパの大嫌いなネロが!パパのために届けてくれたのよ!ネロが、ネロがッ!」 アロアの言葉にコゼツは言葉を詰まらせ、しばし呆然とします。ネロの歯車は常に正常に回っていて、狂っていたのは自分の歯車だったことを悟ったコゼツは、そして堪らず涙してしまうのでした。
「ワシはなんと愚かなことを・・・、ネロ・・・こんなワシに・・・ネロ・・・償いをする、絶対にする、パトラッシュにもだ」 コゼツはきびすを返すとすぐネロの家に向かいますが、しかしそのネロはもうこの村にはいなかったのでした・・・。
約束のクリスマスにミシェルはネロを引き取るために村に下りてきました。ヌレットおばあさんもこの約束の日にブラッケン村に戻り、またジョルジュもネロに会うために村を訪れます。そしてなんと一度はネロの絵を落選と決めていた審査員たちでしたが、その中の一人がネロの才能を強く認め、彼はルーベンスの跡継ぎとなれる才能を秘め、後には必ずアントワープの財産となる存在だとしてネロを育てたいと申し出てくるのでした。 |
しかし、その肝心のネロは行方不明。皆は必死にネロの行方を探します。
「ネロ、お前はこのワシが面倒をみるぞ。アロアと一緒に学校にも行ける。パトラッシュもだ。・・・ネロ、頼む、お願いだ、ワシを許すと一言だけでいい、言ってくれ!」
「おーい、ネロぉー・・!オレに罪の意識を一生背負わすつもりなのかぁ〜・・・頼むよぉ〜・・・出てきて謝らせてくれよぉー!ネロー!」 今全ての人々の歯車が正常に回り始めたのです。唯一ネロという存在を欠いた状態で・・・。
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「・・・・・・・・」
気がついたそこはアントワープ大聖堂の中でした。
凍えるような寒さの中、お腹の空いたままここまで歩いてきたネロ。
自分が何故此処にいるのかも分からない彼はおもむろに顔を上げ、光の差す場所をみて驚きます。
「・・・カ−テンが・・・開いてる・・・・?」
そこにはネロがどうしても見たかった二枚のルーベンスの絵が
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| キリスト降架 1611−14 アントウェルペン大聖堂 |
「・・・あぁ・・・、これが、これがボクの見たかった二枚の絵なんだ・・・ マリア様・・・ありがとうございます・・・なんて、なんて素晴らしいんだ・・・」
此処まで来られたこと自体が奇跡に近いネロは、願いの叶った幸福に包まれその場に倒れ付してしまいます。
そして想い出の鈴を鳴らし彼を探して此処まで来たパトラッシュ。
「クゥ〜ン・・・」
「パトラッシュ・・・分かったよ、ボクたちはいつまでも一緒なんだね。 ありがとう・・・」
もしかするとパトラッシュは此処で少年と共に生を終えることを分かっていたのかもしれません。また望んでいたのかもしれません。
| 誰を裏切るでも誰を憎むでもなく、ただ純粋に正しく生きてきたネロ。彼の清く美しく、そしてはかない炎は最後に多くの人たちを強く照らし、そして今燃え尽きます。 |
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どうしても見たかったルーベンスの二枚の絵。
大好きなおじいさん。お母さん。そしていつまでもパトラッシュと一緒に・・・。
今ネロの望みはマリア様によって全て叶えられるのでした・・・。
ネロはパトラッシュに伴われ、全ての苦しみから解放された世界に駆け昇ります・・・
|
アニメ「フランダースの犬」は第52話「天使たちの絵」をもって終わります。
※以下は1992年に放映された『フランダースの犬-ぼくのパトラッシュ』などから管理人が勝手に想像したその後です。本当のフランダースの犬のその後は皆様の心の中にあります
パトラッシュ 辛い毎日を過ごしていたパトラッシュは最後にこれ以上ない最高の主人と出会い、犬族としての幸せを掴み、その主人と共に生を終えました。 |
アロア アロアはネロを失った後、成人して修道女としての道を歩み、多くの人々に勇気と正しさを教えていくことになります・・・。 |
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何も持たないネロの前に偶然落ちていた2000フランの金貨。このお金を手にすればネロは命を失うことは無かったでしょう。
もしかするとこれはマリア様が最後に与えたネロへの試練だったのかもしれません。
ですが2000フランが1万フラン、10万フランであったとしてもネロのとった行動は変わらなかったのではないでしょうか。
そして何故か開いていたアントワープ大聖堂のカーテン・・・。
ネロは最後まで正しさを失うことはなく、満足のうちに天に召されました。多くの人たちに正しさを教え、その短い生涯を終えたネロ。ですがこれは彼の生まれ持った命数だったのかもしれません。
人は自分の生まれてきた理由をあれこれ考えて悩みます。ネロは自分に与えられた運命の命数を使い果たして天に召されました。 |

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○1975アニメ「フランダースの犬」主な製作スタッフ
脚本:中西隆三・加瀬高之・伊東恒久他
絵コンテ:奥田誠治
製作:本橋浩一
シリーズ構成:六鹿英雄
音楽:渡辺岳夫
場面設定:坂井俊一
キャラクターデザイン:森康ニ
作画監督:岡田敏靖・羽根章悦
美術監督:伊藤主計
撮影監督:黒木敬七
録音監督:佐藤敏夫
動画チェック:前田英美
色指定・検査:保田道世
演出:黒田昌郎
プロデューサー:高橋茂人・中島順三
○1975「フランダースの犬」主な声優
ネロ・ダース:喜多道枝
ジェハン・ダース:及川ヒロオ
アロア・コゼツ:麻上洋子→桂玲子
コゼツ:大木民夫
エリーナ・コゼツ:中西妙子
ハンス:村松康雄
ジョルジュ:駒村クリ子
ポール:菅谷政子
アンドレ:白川澄子 ヌレット:遠藤晴
ノエル:永井一郎
ミシェル:雨森雅司
ミレーヌ:藤田淑子
クロード:富山敬
アニー:岡本茉利
バートランド:田村錦人
ジェスタス:水鳥鉄夫
セルジオ:矢田耕司
ヘンドリック・レイ:家弓家正
金物屋:飯塚昭三
「ごめん、アロア・・・、また戻って来ちゃった。何故かまだやり残したことが沢山あるような気がしてならないんだ、ボク・・・」
「ネロー!」
「つまりこのブログ上の世界名作劇場キャラたちにはまだ更生させなくちゃならない人たちがいるということね?」
筆頭
「チッ、どこのどいつだクソったれどもが・・・」
「きっとルシエンのことね。帰ったらたっぷりイジメてやるんだから・・・」
「しっかし勿体無いよなぁ〜、2000フランだろ?オレなら蒸気船を買うけどなぁ〜」
「人気キャラはみんな呪ってやるんだ・・・。ちなみにボクはラスカルじゃないぞ、スターリングだ、フフッ・・・」
「なんだか楽しそうだ!ボクも混ぜてよ!」
「わたしもぉぉぉぉ〜!」
「あぁ・・・
」| 一日遅れの Merry Chri |
(当ブログに嫌々登場していただいている方々)
ネロ:10歳 【祖父のジェハンと村で暮している絵を描くことが好きな少年。両親は幼いときに亡くしている。働き者で正直者。毎朝祖父と共にアントワープまで牛乳を運ぶ仕事をしている。最終話の悲劇が無ければルーベンスの再来になれた少年】
パトラッシュ 【金物屋のもとで死にかけになるまで働かされて捨てられたセントバーナード犬。その後ネロ、ジェハン、アロアに救われ以後ネロの元で牛乳運びの手伝いをする。非常に賢く義理堅い犬で最後の最後までネロのもとを離れなかった】
アロア:8歳 【ネロの幼なじみ。村一番の金持ちコゼツの娘。パトラッシュをネロと共に介抱したことからパトラッシュとも大の仲良し。多少わがままだが根は優しい女の子。父親のコゼツからいつもネロをかばっていた。最終話では遠くはなれた場所でのネロの死をただ一人察知した】
ジェハン 【ネロの祖父で唯一の肉親。両親をなくしたネロを引き取り、一緒にアントワープまで牛乳を運ぶ仕事をしている。若い頃の戦争で負傷しているため体調はあまり良くない。ネロのことを一番理解しており、画家になりたいという孫の願いを何とか叶えたいと思っている】
コゼツ 【アロアの父親。ネロの住む村で一番の金持ちであり、実力者。愛娘のアロアがネロと仲良くしているのが気に入らず、また妻のエリーナもネロをかばうため、ネロにはいつも冷たい態度をとっていた。頭が固く、偏見を持って人を見るクセがあるが、けっして悪人ではない】
エリーナ 【コゼツの妻でアロアの母親。ネロやジェハンにも理解を示し、ネロにとっては母親の様な存在となる。体面を気にする夫のコゼツに隠れ、いつも影ながらネロとアロアの友情に協力していた。アロア同様にネロを最後まで疑うことはしなかった】
ハンス 【靴屋の主人でネロの住んでいる家の大家。金持ちではあったが村の実力者コゼツには頭が上がらず太鼓もちばかりしていた。村での事件を何でもネロの仕業だと決めつけ、ネロを執拗に攻撃し続けた。おそらくこの物語での一番の悪者】
ジョルジュ 【魚の運搬仕事をしている両親と弟のポールと共にアントワープの町に住んでいる男の子。溺れたポールを助けてくれたことからネロと親友になる。パトラッシュを身を挺して守ったこともある勇気のある少年で、様々な場面でネロを助けてくれた】
ポール 【ジョルジュの弟。いつでも兄と一緒に行動している元気者の男の子。兄を常に信頼しているらしく、どんな言葉でも兄のセリフをオウム返ししてしまう。川で溺れたところをネロに救われたことで彼と友達となる。ニワトリのエサをやるのは兄より上手】
アンドレ 【靴屋のハンスの息子。父親の影響か、責任を他人に押し付けたり嘘をついたりもする、ちょっと臆病な子供。物語りもいよいよ最終回直前となった頃に多少なりと改心したのか、ネロやパトラッシュを気遣う優しいところも見せるようになる。ダックスという犬を飼っている】
ミシェル 【木こりを生業として森に一人きりで住んでいるジェハン爺さんの古い友人。ジェハン爺さんの孫であるネロをとても可愛がってくれた。ジェハン爺さんの生前、そして死後、ネロを木こりとして一人前に育てようとしていた。正直者で頼りになる人物】
ヌレット 【ネロの借家の隣に家族と離れ一人で住んでいる初老のおばさん。貧しい暮らしをしているジェハンたちをいつも気にして、また助けてくれた人物。生まれた頃からのネロとアロアを知っていて、二人をとても可愛がってくれた優しいおばさん。しかし後に持病の神経痛が悪化し、娘の元へと去る】
アニー 【コゼツ旦那の妹ソフィアの一人娘。アロアとは従姉妹となる。ネロの描いた絵に注文を付けていた。イギリスに住んでおり、レディとしての教育がしっかりしていたため、これを見たコゼツは自分の娘にも同様の教育を受けさせようと考え、嫌がるアロアをイギリスに旅立たせてしまう】
金物屋 【パトラッシュのもと飼い主。パトラッシュを死に掛けになるまで働かせ、捨ててしまう。その後パトラッシュが元気になったのを知るとジェハンから金を貰いながらもパトラッシュを奪い取ろうとしたかなりの悪党。ストーリー後半では登場していない】
ヘンドリック 【アントワープで開かれた絵画コンクール審査員の一人。ネロの絵をみてクリスマスの日にコゼツ家を訪れる。落選したとはいえ後にはルーベンスを超える画家になるかもしれないとネロの才能を高く評価。彼を育てたいと申し出るが時すでに遅かった】
クロ 【ヌレットばあさんの飼っていたアヒル。イタズラ好きで当初はパトラッシュを毎日のようにからかっていた。しかし濁流に流されたところをパトラッシュに救ってもらい、以後大の仲良しとなる。ヌレットが引越すときにネロに預けられ、最終的にはポールの元へいくことに】 2009/11/20日現在

| ■ フランダースの犬 各話タイトル一覧 ■ |
| 第01話 | 少年ネロ | 第27話 | アロアのいないクリスマス |
| 第02話 | アロアと森へ | 第28話 | 親切な貴婦人 |
| 第03話 | アントワープの町で | 第29話 | ルーベンスの2枚の絵 |
| 第04話 | 新しい友達 | 第30話 | 雪の中の約束 |
| 第05話 | パトラッシュ | 第31話 | ネロの決意 |
| 第06話 | がんばれパトラッシュ | 第32話 | 大きなカシの木 |
| 第07話 | スープをおのみ | 第33話 | こころの手紙 |
| 第08話 | ほえたよおじいさん | 第34話 | ヌレットおばさん |
| 第09話 | おもいでの鈴 | 第35話 | お帰りアロア |
| 第10話 | アロアのブローチ | 第36話 | アロアのくすり |
| 第11話 | エリーナの花畑 | 第37話 | うれしい知らせ |
| 第12話 | おじいさんの小さな壺 | 第38話 | ネロの大きな夢 |
| 第13話 | ナポレオン時代の風車 | 第39話 | 心をつなぐ二つの旗 |
| 第14話 | 夜空に描いた絵 | 第40話 | おじいさんの口笛 |
| 第15話 | 古い帳簿 | 第41話 | なつかしい長い道 |
| 第16話 | 10サンチームの写生帳 | 第42話 | となりに来た人 |
| 第17話 | 丘の上の木の下で | 第43話 | アロアのおてつだい |
| 第18話 | いたずらっ子のクロ | 第44話 | おじいさんへのおみやげ |
| 第19話 | 金物屋が村に | 第45話 | ひとりぼっちのネロ |
| 第20話 | どこまでも | 第46話 | おじいさんの顔 |
| 第21話 | 船で来たお客さま | 第47話 | 風車小屋の火事 |
| 第22話 | イギリスからの贈り物 | 第48話 | なくなった仕事 |
| 第23話 | アロアの誕生日 | 第49話 | 描けたよおじいさん |
| 第24話 | アロアの絵 | 第50話 | 発表の日 |
| 第25話 | アロアがいない | 第51話 | 二千フランの金貨 |
| 第26話 | さようならアロア | 最終話 | 天使たちの絵 |
![]() | オープニングテーマ:『よあけのみち』 | |
| エンディングテーマ:『どこまでもあるこうね』 | ||
1975
| ※この記事は2008/04/12に書かれたものを移動させたものです。 また管理人が不適切と判断したコメントは一部削除しています。 |
ブログを始めた当初に書いてしまったため、未だに中途半端な内容になってしまっている『フランダースの犬』。時間を見つけてもう一度修正を是非加えたい物語です。
(2008/12 修正しました)
◆実を言うと今この「フランダースの犬」について書くのはマズイかなとも思うのですが、あえて『パチンコ・ネロ』に対して『世界名作劇場・ネロ』を書いてみようと思います・・・。
◆ネロ・ダース 10歳 ※原作のネロではなく、アニメのネロに対する感想です。 なんといってもこのネロに感じた印象はすごい実直な少年だということ。時にはハンスの態度に怒った素振りを見せたりしますが、それでも根が純真で正義感が強く正直者。アロアやジョルジュ、ポールなどに愛されたのも、ひとえにこの様なネロの人となりの為せる業なのだと感じます。 特にスゴイのはこれを本人が意識して行っているわけではないということでしょうか。 |
最終回で死んでしまったネロ (当ブログでは元気ですが) この物語が一般的に不幸と考えられる理由はいろいろ?
- 引越してきたセルジオに牛乳運びの仕事を取られ、もともと貧しいネロは更に苦しくなってしまう。
- ジェハンの為に必死に他の仕事で頑張るネロですが、それが報われることなく病気で最愛の祖父ジェハンを喪い、身寄りの無い孤児となってしまう。
- 最後の希望であった絵のコンクールで落選。自分の作品が認められなかったと信じてしまう。
- 風車小屋の火事などの疑惑を晴らしたことを確認できないまま・・・凍えてお腹のすいたままパトラッシュと共に死んでしまう。
と、こんなところが「不幸だ」と言われる原因でしょうか・・・。
いや、ネロは幸福を得たと考えれば!(当ブログはプラス方向で考えます)
- 常に祖父ジェハンやアロア、アロアの母エリーナなどはネロを理解し、味方してくれていた。
- 決して一人ぼっちではなく、ネロにはパトラッシュがいた。
- アロアに預けたはずのパトラッシュ。ですが最後までパトラッシュはネロのそばを離れなかった。
- 夢にまで見たルーベンスの絵を最後に見ることが出来、思い残すことなく天国の母親の元へ旅立った。
- ネロの死後になりますが、様々な誤解や疑いは晴れた。
- ネロは多くの大切なことを自己犠牲により村人や視聴者に教えてくれた。
- そもそもネロに悔いはなかった。
と、こんなところでしょうか・・・。
| 自己犠牲というのは命を軽んじる意味ではなく、言ってしまえば公共の精神と同義です。ネロやポリアンナのように自己犠牲をいとわぬものの考え方ができればより多くの人たちが幸福となることでしょう。 |
| ※ネロとパトラッシュはおじいさんとお母さんのいる遠いお国に行きました。もうこれからは寒いことも悲しいことも、お腹のすくこともなく、みんな一緒にいつまでも楽しく暮すことでしょう・・・ |
「ネーローーー!!」
(*`д´) 笑いながらいうなっ!
※部分は最終話ナレーションより引用。
【フランダースの犬 いろいろ】
| ※この記事は2008/05/11に書かれたものを移動させたものです。 また管理人が不適切と判断したコメントは一部削除しています。 |
〜あらすじ〜
| ベルギーの小さな村に住む少年ネロとジェハンおじいさんは貧しいながらも慎ましく幸せに暮らしていました。そんなある日のこと、ネロは死にかけになっているパトラッシュを見つけて助けます。それから以後パトラッシュはアントワープまで牛乳運びの仕事を手伝ったりして、ネロやアロアと仲良く一緒に過ごすようになりますが・・・、ある日おじいさんが病気にかかり亡くなってしまいます。それからというものネロには様々な不運な出来事が訪れ、遂には住む家もなくし、食べるものもなく、ネロは一人教会の中で倒れてしまうのでした・・・。そこへパトラッシュが・・・・。 |
〜世界名作劇場とハイジの掲示板より〜 投稿者:アンさん 「ある詩人さんが残している『幸せと思えば幸せ、不幸と思えば不幸、どちらが幸せ?』という詩を思い出したわ。幸せか不幸かは、やっぱりあたし達が考えるのではなくて、その人が今、本当に「幸せ」かどうかだと思うわ」 |
◆未だにブログ内で概要すら書いていない「フランダースの犬」。ひょっとするとこのまま書かない可能性もありますが、それはそれでいいのかも、とか思うようになりました。 暇を見つけて、こうして記事を付け加えていこうと思います。(2008/12修正加筆しました)
◆アロア・コゼツ 8歳 ※原作ではなく、アニメのアロアに対する感想です。 三角頭巾におませでチョット我がままな性格の女の子。いつもネロと一緒に遊んでいてパトラッシュとも大の仲良し。絵を描くネロを陰日なた・・・日なたばっかりか(笑 となって励まし続けた優しい心の持ち主。好物はいちごアメ。 イギリス留学の話と病気になったときはショックでした。何でもハッキリ口にする毒舌家のイメージがあるのは私だけでしょうか(笑 |
パトラッシュは何処へ行くの?昨年の12月に地元監督が地元のベルギーで作った検証映画「パトラッシュ」。日本でも話題になりましたが、さすがにこれを聞いた当時は凹みました。地元で「パトラッシュとネロは負け犬」とかよく言うなと・・・。
とか思ってたら今度は日本でパチンコ「CRフランダースの犬」・・・。版権持ってる会社の目的はいったい何なのでしょうか(笑 私は無能無学者なので全然サッパリかわりません。
正直者のネロと忠犬パトラッシュ。彼らはいったい何処へ行ったのでしょうか?
「ネロとパトラッシュが何処へ行ったか?このブログにいるじゃない。他のサイトやフランダースの犬が好きな人のところににもネロやパトラッシュはいるわ。この意味わかる?」 (つД`) ・・・はい
読者様から「フランダースの犬」の二次創作小説を投稿していただきました。タイトルは『レ・ミゼラブル 中年コゼツ』。筆者は十傑作さんです。
フランダースの犬 二次創作 |






***この時現場に居合わせたジェハンお爺さん。慌てるネロをよそに有無を言わさず死にかけのパトラッシュを荷車に乗せると、すぐさま家に連れ帰り早速看病を始めます。孫と自分が生きていくだけで精一杯のはずですが、ついぞそんなことなど考える素振りも見せません。流石にネロのお爺さんです***
ジェハンお爺さんは若い頃に戦争 (もしかすると激しい市街戦となったベルギー独立戦争、ナポレオン戦争) などの影響から身体を壊してしまい、満足に働けない身体になっていました。そんなジェハンお爺さんは二歳のときに母親を喪った孫のネロを引き取り、アロアの生まれた年にこのブラッケン村に引越してきました。
ネロはこの年9歳。まだとても一人前と呼べる年齢ではありませんが、それでも毎日お爺さんの仕事を手伝っていました。また貧しい家庭事情から学校へは通っていませんでしたが、コゼツ家の一人娘アロアとは大の仲良しで、苦しい生活の中でもネロには幸せがありました。
これまで労働犬として金物屋に死にかけになるまで酷使されてきたパトラッシュ。ジェハン爺さんとネロに助けられて以来、ダース家の家族としてとても大切に扱われます。自分たちのことなどお構いなしに自身を助けてくれたジェハンやアロア。炊きつけの木を背負わすこともしないネロの優しさ。以前は風の音にも怯えていましたが、この三人のお陰で遂にパトラッシュは数万年も前から人間の友として共生してきた犬の幸せを掴んだのでした。 
幼い頃に母親と共に見たアントワープ大聖堂の中にある素晴らしい絵。ネロの脳裏にはその神秘的な絵がいつも記憶の片隅に残っていたのです。叶うことならば画家になりたい・・・。人々を感動させるような絵を描いてみたい・・・。
小さな時から絵を描くことが好きだったネロですが、他人に自分の描いた絵を見てもらうということを今まではあまり考えた事がなく、おじいさんや幼馴染のアロアですらネロの描いた絵を殆ど見ていなかった様子です。そのためネロの才能は見発掘のまま埋もれた状態で、また貧しい暮らしのために鉛筆はおろか紙を買うことすらできず、地面や木の板に写生画をスケッチするといったことを繰り返していたのでした・・・。
ハンス
そんな中ネロはアントワープ大聖堂の中にルーベンスの絵が他にも二枚存在することを知り、どうしてもその二枚の絵を見たいと思うようになります。しかし聖堂の中にあるカーテンで覆われた二枚の絵を見るには銀貨が必要なのだと聞き、それをおじいさんに話すことも出来ず、ただネロはカーテンの前で立ち尽くすのみでした・・・。
ジョルジュの持ってきたニュースにネロは驚きます。今度アントワープの町でルーベンスにちなんだ絵のコンクールが開かれ、1等に選ばれるとなんと200フラン〔ジョルジュの父親(魚の運搬船の船長)が数年働いてやっと手にできるだけの大金〕の賞金が出る上に、絵の勉強も出来るというネロにとっては信じられないようなニュースだったからです。

◆風車小屋

もう何も考えることの出来なくなったネロはパトラッシュと共にブラッケン村への帰り道、とんでもない物を雪道で発見してしまいます。

約束のクリスマスにミシェルはネロを引き取るために村に下りてきました。ヌレットおばあさんもこの約束の日にブラッケン村に戻り、またジョルジュもネロに会うために村を訪れます。そしてなんと一度はネロの絵を落選と決めていた審査員たちでしたが、その中の一人がネロの才能を強く認め、彼はルーベンスの跡継ぎとなれる才能を秘め、後には必ずアントワープの財産となる存在だとしてネロを育てたいと申し出てくるのでした。

パトラッシュ
アロア
そして村の人々・・・ 

〜世界名作劇場とハイジの掲示板より〜
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